
パパ・ママ「お皿に出したとたん、両手でつかんで口に押し込んでいく」
「ほっぺがパンパンなのに、まだ入れようとする」
食べてくれるのはうれしい。
でも、あの詰め込み方を見ていると、正直ヒヤッとしますよね。
「のどに詰まらせないかな」
「よく噛まない子になっちゃうのかな」
そんなふうに、少し考えてしまうこと、ありますよね。
とめようとしたら、怒っちゃった・・・。
でも、実は。1歳の詰め込みは、
「一口の量」を練習している真っ最中、というだけだったりします。



口の中に、自分の物差しを作っている途中なんです
- 1歳が詰め込み食べをする理由(一口の量を練習している途中)
- 詰め込み食べはいつまで?(1歳〜1歳半は、一口量を覚える練習の時期)
- おうちでできる対策3つ(前歯でかじり取る/スプーンの一口量を整える/座る姿勢と口の遊び)
- 落ち着いてきたら、次はスプーンが主役に
1歳の詰め込み食べはなぜ?いつまで続く?


「どれくらい入るか」を、体で覚えている真っ最中
大人は、目の前のパンを見た時点で「これくらいかじれば口に入るな」と分かりますよね。
でもこれ、生まれつき分かっているわけではないんです。
1歳前後の子は、口の中の広さも、食べ物がどんな硬さなのかも、まだわかりません。
だから「入るかどうか」「食べられるかどうか」を、実際に出したり入れたり。
その繰り返しで、自分にちょうどいい量の経験を積んでいます。



理由を知ると、「そっか、そういうことか」と、見ている側の気持ちも少し楽になっていきますよね。
1歳前後は口の中に「いっぱい入れた!」「少なすぎた!」の実験の繰り返し。
1歳〜1歳半は、詰め込みながら「一口量」を覚える時期
厚生労働省の資料でも、1歳〜1歳半ごろは
「口へ詰め込みすぎたり、食べこぼしたりしながら、一口量を覚える」時期とされています。
現場で子どもたちを見ている私の感覚では、
1歳9か月ごろには、落ち着いてくる子が多いです。
それまでの間に、子どもたちが少しずつ身につけていくのが「かじり取り」。
手づかみ食べがすすめられているのは、このかじり取りを覚えていく段階があるからなんです。
マニアックなお話ですが、
かじり取りに使う「前歯」には、食べ物の「硬さ・厚み・大きさ」をキャッチするセンサーがあります。


たとえば、薄いたまごサンドならガブッといけるけど、
分厚いカツサンドだと、自然と少しずつかじりますよね。
かじった瞬間に、前歯が「これくらいなら入る」を判断してくれているんです。
その経験が積み重なって、大人は見ただけで「このくらい」がわかるようになりました。
1歳の子は、ちょうどその経験を積んでいる真っ最中です。
- 前歯でかじる経験を積み重ねて、一口量を調節できるようになってくる。
- 1歳〜1歳半は、詰め込みながら一口量を覚える時期。
かじり取り・前歯の働きについては、こちらの記事で詳しく書いています。
>>>【2歳かじり取りできない】おやつの時間でできる「噛む力」の育て方
詰め込み食べの対策3つ|おうちでできる一口量の育て/


ちょうど1歳前後は、「やりたい!」「じぶんでしたい!」が見えはじめるころ。
手を出して止めようものなら、「ギャーーー!!」なんてことも(笑)
やがて、2歳になる前には、スプーンもだいぶ上手に使えるようになっていきます。
だから今は、その「じぶんで!」はそのままに、
大人はほんの少しだけ手助けする時期。



おうちでできることを、3つ紹介しますね。
① 手づかみ食べは、前歯でかじり取れる大きさで出す


1歳前後は、食べ物をすりつぶす奥歯が、まだ生えそろっていません。
最初の奥歯が生えてくるのは、1歳4か月ごろです。
だからこそ、まずは前歯で一口分をかじり取れる、やわらかいものから。
手で持てるくらいの大きさのまま出して、前歯を使う場面をつくります。
やわらかくゆでた野菜スティック、スティック状のパン、ソフトせんべい。
手に持って、口に運んで、前歯で切り取る。
この一連ができて、前歯でかじれるやわらかさなら、いろいろなもので大丈夫です。
口の中の水分を吸いやすいものもあるので、飲み物を一緒に用意して、そばで見ていてあげてくださいね。
私がおすすめしているのは、ソフトせんべいを使ったやり方です。
大人も一緒にせんべいを持って、お子さんが前歯で一口分をかじり取る。
そのときに「いい音したね〜」「かじれたね〜」と声をかけます。



「パリっ」と音がすることや、
口の中でとけやすいのもあって、
はじめての練習にもおすすめかな〜と思っています。
栗山米菓の「アンパンマンのベビーせんべい」。
丸くて、子どもの口より大きいので、自然と前歯でかじり取る形になるんです。
大人と一緒に持てる大きさなのも、いいところです。
\はじめてのかじり取りに/
かじり取りやすいメニューは、こちらにまとめてあります。
かじりとりができるメニュー5選|上唇を使う練習になる幼児食
② スプーンにのせる一口量は、大人が整えて置いておく


食べたい気持ちが強くて、つい詰め込んでしまう子には、
フレンチのフルコース風に、お皿に1つずつ出してみるのもおすすめです。
食べ終わったら、次の1皿。
スプーンにのる量が多くならないように大人が調整して、お皿の上に置いておきます。
または、お子さんがスプーンを持って、大人はその手を下から軽く支えるだけ。
口に運ぶのは、お子さん本人です。
たとえば、輪切りにしたさつまいもの甘煮なら、
スプーンのふちで一緒に「チョッキン」と切ってみる。
切った大きさが、そのまま一口分になります。
そして、いまやっていることに、お子さんが注目できるように声にしてあげます。
「チョッキンできたね〜」「スプーンにのったね〜」
食べ方を「教える」という感覚より、
子どもは「たのしい」で覚えていくことのほうが多いんですよね。



「あたらしいことができるようになった!」
という雰囲気で接することが多いです。
スプーンを選ぶときは、先の小さいものを。
のる量が自然と少なくなるので、一口量を整えやすくなります。
現場で見ていて納得したのが、おぎその「Lisse(リッセ)ベビースプーン」。
先の幅は2.2cm。保育園の先生の意見をもとに作られたものだそうです。
\ 一口量を整えやすい、小さめのスプーン /
③ 座る姿勢と口の遊びで、噛む準備を整える


座る姿勢がまだ安定していないと、
最後まで集中力が続かなかったり、
手で持って自分で食べる、がうまくいかなかったりします。
しっかり座れる体は、
このあとスプーン、フォーク、お箸へと進んでいくときにも、つながっていく力です。
保育園で保育士さんたちがやっているのは、体や口、ほっぺをたくさん使う遊び。
- 廊下を、動物のマネッコのはいはいで進む
- 大きな口を開けて、動物になりきって笑う(ライオンさん、ねずみさん、トトロ)
- おもちゃのラッパを吹く
はいはいは、腕や肩、体を支える力をたくさん使います。
笑い方のマネッコやラッパは、口やほっぺをたくさん動かします。
ラッパは、対象年齢に合ったものを選んでくださいね。
1歳だと、まだ上手に吹けない子も多いので、まずは大人が吹いて見せるところからで◎。
遊びの時間に「ライオンさんの笑い方〜」「ねずみさんの笑い方〜」なんてやっているうちに、
食べるための体も、ちゃんと育っていきます。
1歳に気をつけたい食べ物2つ|消費者庁がすすめる切り方


詰め込み自体は発達の途中の姿ですが、
食べ物によっては、量とは関係なく詰まりやすいものがあります。ここだけは、知っておくと安心です。
丸い食べ物は4等分に。ミニトマト・ぶどうはそのまま出さない
消費者庁は、ミニトマトや大粒のぶどうなど、
つるんとした球状の食べ物を4等分に切ってから出すことを呼びかけています。
半分に切るだけでは、まだ丸みが残ります。縦と横、
両方に包丁を入れて4つにする。ひと手間ですが、ここは必ずやっておきたいところです。



丸い食べ物の大きさは、ちょうど子どもの喉に、
すっぽりはまってしまう大きさ。
一度はまると、なかなか取れずに、重大事故にもつながります。
硬い豆・ナッツ類は5歳以下には出さない
消費者庁は、硬い豆やナッツ類について、5歳以下の子どもには食べさせないよう注意を呼びかけています。
噛み砕く力がまだ育っておらず、かけらが気管に入ると、肺炎などにつながるおそれがあるためです。
現場でも、提供することはありません。
くわしくは、消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」に一覧がまとまっています。
詰め込み食べが落ち着いてきたら。次はスプーン・フォーク・お箸へ


詰め込みが少しずつ落ち着いてくると、
次は「スプーンやフォーク、お箸も上手になってほしい」
「自分で食べられるようになってほしい」と思いますよね。
この記事で紹介した「前歯でかじり取る」「座って食べる」は、
その道具を使う力にも、そのままつながっています。
ただ、食具を使いながら上手に食べるって、けっこう難しいんです。
やる気があるときは、それが挑戦する力になって楽しい。
でも「できない」が続くと、気持ちがしぼんでしまう子も、現場でたくさん見てきました。
大人から見て「きれいに食べられる」ようになるまでは、けっこう時間がかかります。
なので現場では、おおらかに見守ることが多いです。



焦らずに、今日の1日を過ごせたら、それで十分なのかな。
床をきれいにしながら、
お洋服の米つぶを取りながら、いつもそう思っています。
スプーンの練習をいつから始めるかは、こちらの記事で詳しく書いています。
>>>>スプーンの練習はいつから|1歳半は「0年生」|管理栄養士が解説
まとめ:1歳の詰め込み食べは、育っている途中のサイン
最後に、この記事の内容をまとめておきますね。
- 1歳の詰め込み食べは、一口の量を練習している途中
- 1歳〜1歳半は、詰め込みながら一口量を覚える時期
- 対策は3つ。前歯でかじり取る/スプーンの一口量を整える/座る姿勢と口の遊び
- 前歯でかじり取れるようになると、量は自然と調整されていく
- 丸い食べ物は4等分に。硬い豆・ナッツは5歳以下には出さない
見えないところで、準備はもう進んでいます。
今日はうまくいかなくても、それで大丈夫です。
もう少し大きくなって、今度は「口にため込んで飲み込まない」が気になってきたら、こちらもどうぞ。
【2歳児食事】食べ物を口にため込むのはなぜ?よくある3つの原因と対応策
そして、そばで見ていてあげたいけれど、作るだけで精一杯という日もありますよね。
そんな日の逃げ道として、幼児食の宅配を比べた記事も置いておきます。
食べない!作りたくない!時間がない!を助ける!幼児食宅配3社を現役栄養士が丁寧に比較
確かなことは、何よりあなたが日々、精一杯がんばっているということ。
それだけは、忘れないでくださいね。


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