
パパ・ママ 噛んでるはずなのに、いつまでたっても口の中がなくならない
早く終わらせて、片付けもして……やることがたくさんあるのに…



毎食、お肉を口にためたままの姿を見ていると、
「はやく食べて!」って思ってしまいますよね。
今まで、300人以上の子どもたちの食べる時間を見てきました。
お肉やお魚が噛む子が苦手な子、少なくありません。
毎日、子どもたちの食事に関わっているので、
家庭でもできそうな調理の工夫や接し方を栄養士の目線で紹介しますね。



時間はかかりますが、だんだんと
みんな、骨付き肉を、ガブっとかめるようになっていきました!
- お肉を「べー」と出すのは、お口の「食べる力」が、発達の途中だから。
- 「食べない」ように見える子に、「今は、力を貯めている最中」という考え方
- 食べやすくなる工夫3つ(料理を変える・食べ方を助ける・遊びの中で体を動かす)
2歳3歳が肉を噛めない・噛み切れないのはなぜ?「べー」と出す理由


なぜ「べー」と出すの?
私たちがなんなくしている「食べる」という動き。
口の周りには、たくさんの筋肉があって、
下あご・舌・頬が、複雑にチームプレイをしています。
たくさんの口のまわりの筋肉をリズムよく、
顎を上下に動かしたり、横にスライドさせたりしながら、
食べ物を飲み込める形にしていきます。
だから、うまくいかないことも多いのです。
- リズムよく動かせなかったり
- 飲み込むタイミングが掴めなかったり
- すぐに疲れてしまったり
2〜3歳の、奥歯が生えたばかりのころは、急に大人と同じようには食べられるようにはなりません。
繊維のあるお肉や、魚、歯ごたえのあるものは、苦手な子が多い印象です。
複雑な口の動かしかた、舌の動かし方を、毎日学んでいる真っ最中です。
口の動かし方が、上手ではないので「べーっ」とだしたり、口に溜まることがあるのです。



その日の体調や、食べる意欲や、メニュー。
体の力の入り方や、その子の性格。
食べ方には、個人差が現れやすいです。
出すのは、噛んでも小さくならない、まとまらない、と判断したから。
実は、丸のみして詰まらせるより、危険を避けてるともいえます。



出す判断ができているのも、実はひとつの育ちなんですよね。
かじり取る力についてはこちらの記事、
口から出す・丸のみする理由をもう少し広く知りたいときは、
こちらの記事もどうぞ。
お肉を口にためこむことが多いときは、口にため込む理由と対応の記事も参考にしてくださいね。
「ペッ」と出していい|「口、動いてたもんね」
ただ、怒ってしまいそうになるの〜(涙)
とも思いますねよね。
私の失敗からお話しすると、
口の発達のことを、まだ知らなかったころに、
「あー……まだ終わらないの……」と思って、
つい、「まだ、食べてるの〜?」と言ってしまったことがありました。
大人の「早くたべ終えてほしい」「上手に食べてほしい」という気持ちは、
子どもはプレッシャーとして感じ取ってしまうことも、あるんですよね。



大きくなりたい、うまくなりたいと、
毎日葛藤している2、3歳にとっては、
よくない一言だったな〜と、反省しています。
思い出すようにしているのは、
子どもたちは、がっかりさせたいなんて思っていない、ということです。
子どもは、噛めないなりに、噛んでいて。
今まさに、力をためている真っ最中。
だから、どうしても食べ切れないものは、
「ペッ」と出していい、ということにしています。
そして、
「よく噛めるようになってきたね。口、動いてたもんね」
「小さくなるまで奥歯で噛めたね〜」
また食べたくなるような、楽しい雰囲気でいれるような、
声かけを心がけています。
食べやすくなる工夫3つ|料理・食べ方・遊び


2歳、3歳のお口の成長には、
「歯ごたえ」のあるものも、少しずつ取り入れていきたいところ。
でも、大人と同じ硬さでは、食べにくくて、
食べるのが「イヤ!」になってしまうかもしれません。
そこで、おうちでできる工夫を、「料理」「食べ方」「遊び」の3つに分けて紹介しますね。
工夫1|調理方法にひと工夫
まずは、特に苦手になりやすい、
お肉と魚の、ちょっとした調理の工夫です。
しっとりさせる|ソースを味方につける


肉や魚は、パサパサして、まとまりにくいものもあります。
特にお魚は、マヨネーズソースなどのソースを味方につけると、食べやすくなります。
ソースや、おろしの水分が、口の中で、お肉や魚を「つなぐ役」になってくれるからです。
- にんじんおろしマヨ(鮭・さわら):マヨネーズとおろしの、油と水分で、しっとり食べやすくなる。
- のりしおチキン:片栗粉の衣と、溶かしバターで、パサつかない。
- さばのみぞれ煮:大根おろしの水分で、食べやすい。人気です。
あんかけも、確かに食べやすいです。が、人気があまりないですね……(笑)
ただ、ケチャップ味のあんかけにすると、わりとたべてくれることもあります。
やわらかくする|漬ける・切る・ほぐす


調理の仕方を少し変えるだけで、食べやすくなることがあります
- とりの照り焼き、豚の肉巻きは、焼く前に小麦粉を軽くまぶす。
- 焼き魚は切るよりも「ほぐす」ようにすると子どもの口には扱いやすくなる。
- ささみは、牛乳に10分ほど浸す。
- 時間があれば、塩麹に、前の日から漬けておく
どれも特別なことではありませんが、
こうしたちょっとした工夫で、肉や魚のやわらかさや口当たりが変わります。



手間なく、料理上手になるので、ぜひ、
試してみてくださいね!(笑)
工夫2|食べ方を助ける|ごはんと一緒に・疲れたら無理しない
- お肉や魚は、ごはんと一緒に、ひと口ずつ。ごはんもお肉も小さめに。
- お茶や水で流し込むのは、食後に。
- 後半になって疲れてくると、繊維が口の中に残ることがあります。
そんなときは、無理に食べ切らなくても大丈夫です。
そして、もうひとつ大切なのが、「どうやって噛むのか」を大人が見せてあげること。
子どもは大人の食べ方をよく見ています。
お肉をごはんと一緒に食べて、
「ごはんと一緒だと、食べやすくなったね〜」
「発見やったね〜!」
と声をかけたり、
「奥歯でカミカミするよ〜」と、大人が実際に口を動かして見せてあげることもあります。
「奥歯はここだよ」と、ほっぺのあたりをやさしく触れて、
噛む場所を一緒に意識してみるのもひとつの方法です。
こうした関わりは、現場でもよく行っています。
工夫3|遊びの中でおくちを育てる|はいはい・はっけよい・あっぷっぷ
楽しく遊んでいることが、実は「食べる力」につながっていることがあります。
はいはいをしたり、高ばいになったり、両腕で体を支えたり。
口の動きは、実は全身の動きともつながっています。
体を使う遊び
- はいはい・高ばい
- はっけよい、のこった(前腕で体を支える)
口まわりの遊び
- あっぷっぷ・変顔のまねっこ
- 紙風船・風車(ふーっと吹く)
- シャボン玉
- ストローで吹く遊び(くわえたまま歩かないようにしてくださいね)
特におすすめなのが、前腕(ひじから手首まで)に体重をのせる動きです。
職場の心理士さんに教えてもらったのですが、
腕に力をのせて体を支えるとき、ほっぺたの筋肉も一緒に使われるそうです。
ほっぺたは、食べ物を奥歯の上に戻すお仕事をしているので、
遊びの中で自然に動かせるのはうれしいですね。
「お口のトレーニングをしよう!」と頑張らなくても大丈夫。
普段の遊びの中で、
「そういえば、両手でしっかり体を支えているな」
「リズムに合わせて体を動かしているな」
と、少し意識してみるくらいで十分です。
特別なことを始めるのではなく、いつもの遊びにちょっと意識を向けてみる。
そんなところから、楽しみながら取り入れてみるのがおすすめです。
「もっと遊びが知りたいな・・・」という方へ
遊びが大切なのはわかるけれど、どんな遊びをしたらいいのかわからない……
そんな方には、『あそび図鑑』もおすすめです。
モチコさんのかわいいイラストで、毎日の生活の中に取り入れやすい遊びが、わかりやすく紹介されています。
「どんなふうに子どもと関わったらいいのかな?」
「一緒に楽しい時間を過ごしたいな」
そんなふうに感じている方に、ぴったりの一冊です。
難しいことをしなくても大丈夫。
「今日はこれやってみようかな」と思える遊びを、親子でひとつずつ楽しんでみてくださいね。
少しずつ上手になっていきます|全部やらなくて大丈夫
口まわりの動かし方も、いろんなことに挑戦してみているうちに、噛む力も、リズム感もついてきます。
こんな姿が増えたら、順調です。
- 頬のあたりが、なんだかシャープになってきた
- お肉を飲み込めることが、増えてきた(「べー」が減る)
- 好きな食べ物が増えてきた。おかわりするようになってきた
もちろん、個人差があります。
その日の疲れ方でも、変わります。
現場では、時間はかかりますが、3歳ごろになると、
だんだんと、かたまり肉や焼き魚も、食べられるようになってきている子を見ています。
1つだけ持ち帰るなら、「今は、力を貯めている最中」という考え方です。



全部を一人で抱え込まないでくださいねー!!
毎日の献立で「今日は噛みやすいものにしよう」と考えることに疲れてきたら、
幼児食の宅配を頼ってみるのもいいと思います。
\食べやすさを考えられた40種類のメニュー/
3歳をだいぶ過ぎても、やわらかいお肉すら噛み切れない、飲み込むときに毎回むせる、
といった様子が続くときは、健診や、かかりつけの小児科・小児歯科に一度気軽に相談してくださいね。
きっと、やさしく答えてくださいます。
参考文献
① 日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱(産まれてから2歳頃まで)」
② 日本歯科医学会「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」(令和6年3月)
③ 日本歯科医学会「小児の口腔機能発達評価マニュアル」(2018年)




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