1歳半〜3歳の犬食い|迎え舌を卒業する4つの工夫|管理栄養士解説

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パパ・ママ

「うちの子、犬みたいにお皿に顔を近づけて食べる…」
「行儀が悪いって言われるけど、どう直せばいいの?」

食事のたびに、器に顔を近づけてガツガツ食べる姿。
「犬食い」なんて呼ばれ方をされると、なんだか心配になりますよね。

実はこれ、「迎え舌(むかえじた)」という、口の使い方のクセが関係していることが多いんです。

マナーの問題として注意する前に知っておきたいのが、
迎え舌は、体と口の発達がまだ途中の時期によく見られる姿だということ。
特に1歳半〜3歳ごろは、よく相談を受けるテーマです。

この記事では、犬食い・迎え舌がなぜ起こるのかを、
口だけでなく体全体の発達という視点から整理して、今日からできる工夫をお伝えします。

この記事でわかること
  • 犬食い・迎え舌とはどんな食べ方のことか
  • 1歳半〜3歳に多い理由(体幹・口の発達・環境の3つ)
  • 今日からできる、迎え舌を卒業する4つの工夫
  • 気になるときに相談できる目安

※この記事は、一派的な発達の目安の紹介です。
お子さんの発達には個人差があります。
気になることがあるときは、検診や、かかりつけの小児科・小児歯科にご相談くださいね。

目次

犬食い・「迎え舌」ってどんな食べ方?まずは知ろう

スプーンを口に運び、口を大きく開けて食事をする子どもの写真

犬食いとは、器に口を近づけてガツガツ食べること

「犬食い」というのは、器をテーブルに置いたまま、顔を器に近づけて前かがみで食べるスタイルのことです。手で器を持たず、口の方から食べ物を迎えにいくような姿勢になります。

見た目のインパクトが強いので、「お行儀が悪い」「みっともない」というマナーの問題として語られがちです。ただ、1歳半〜3歳ごろの子どもの場合は、少し事情が違います。

mog

お行儀の前に、まず体と口の動きを見てみましょう。

実は、「迎え舌」という口の使い方のクセが背景にあります

犬食いの背景でよく見られるのが「迎え舌」です。
これは、食べ物を口まで運ぶのではなく、口の方を食べ物に近づけて迎えにいく食べ方のこと。

本来、食べ物は手やスプーンで口元まで運び、上唇と下唇でしっかり挟み込んで取り込みます。
この「取り込む」動きを専門的には捕食(ほしょく)と呼びます。

迎え舌のときは、この捕食の動きがまだ育っていないため、
口の方から迎えにいくことで食べ物を取り込もうとしてます。

1歳半〜3歳ごろに多い理由|体全体がまだ発達の途中だから

「うちの子だけでは」と心配になるかもしれませんが、
迎え舌・犬食いの相談は、1歳半〜3歳ごろに特に多く寄せられます。

この時期は、歩き始めてまだ間もなく、座った姿勢を自分の力で支える練習をしている最中でもあります。
口だけでなく、体全体がまだ発達の途中にあるからこそ、目立ってしまいます。

なぜ迎え舌になるの?体の発達から見る3つの理由

手と膝で体を支え、体幹を使って伸びをする子どもたちのイラスト

理由1|そもそも体幹が、座った姿勢をまだ支えきれていない

リハビリの世界には、「体の中心(体幹)が安定して初めて、手先や口もとの細かい動きに集中できる」という考え方があります。専門的には「近位安定性」と呼ばれる部分です。

体幹がまだグラグラな時期は、座った姿勢を保つだけでもエネルギーを使っています。
足りない体の支えを、頭や首を器に近づけることで補っている、というのが、
迎え舌の背景にあるもうひとつの姿だと私は考えています。

mog

マナーだとか、お行儀だとかの前に、
体を支えるのが難しいなりの工夫だったのかもしれませんね。

実は、これは発達に特性のあるお子さんの支援でよく使われる考え方でもあります。
姿勢を保つのが苦手な子には、椅子やクッションで座り方を整えるサポートが有効、とされていて、
この考え方は、発達の途中にあるどの子にも当てはまるものだと思います。

おすすめは「雑巾がけ」
「体幹を鍛える」と言われても、特別な運動をさせなきゃと身構えてしまいますよね。
心理士の先生に伺ってみたところ、おすすめは雑巾がけなんだそうです。
ただ、「家ではなかなか難しくて……」と伝えると、
「保育園でやらせてもらえたら、それで十分ですよ」と笑いながら教えてもらいました。
家でなら、窓拭きや、床にこぼしてしまったときに一緒に拭く、
くらいで気軽にやってみたらいいとのことでした。

mog

こぼした後の一緒拭きくらいから
少し意図的にやってみることが、良いんだとか。

はいはいや、手をついて体を支える遊びも、体幹づくりにつながっているそうです。
このとき、参考になる本も教えてもらいました。
「心と体がのびのび育つ 0〜2歳児のあそび図鑑」(波多野名奈 監修)という一冊で、
かわいいイラストとともに、日々の遊びのアイデアがたくさん載っています。

理由2|捕食(唇でとらえる力)がまだ育っていない

口を食べ物に近づけるようにして食べる子どものイラスト

2つ目が、口の発達の話です。
上唇と下唇でしっかり食べ物を挟み込む力がまだ育っていないと、口を近づけて迎えにいく方が、
その子にとっては食べやすい方法になります。

これは、かじり取りのときに使う上唇の動きとも近い関係にあります。
前歯でかじり取る練習を積み重ねていくうちに、
手やスプーンで運んだ食べ物を、上唇でしっかりとらえられるようになっていきます。
そうすると、口でわざわざ迎えに行かなくても、自然と食べられるようになります。

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唇でキャッチする力は少しずつ育っていきます。

食べ物を口から出してしまう・あまり噛まないという相談も、
実は口の使い方の育ちと関係していることがあります。

気になる場合はこちらもどうぞ。

2歳が食べ物を口から出す・噛まない理由は?管理栄養士が教える「アギアギ」で飲み込む力を育てる方法

理由3|テーブルと椅子の高さが合っていない

3つ目が、環境的な理由です。
テーブルが高すぎたり、椅子や足台が低すぎたりすると、肘が上がって体が前に傾きやすくなります。

体幹がまだ安定していない時期に、椅子の高さまで合っていないと、前傾はさらに強くなります。
足の裏がしっかり床や足台につくかどうかを、まずチェックしてみてくださいね。

今日からできる、迎え舌を卒業する4つの工夫

正しい座り方を示す図。体とテーブルはこぶし一つ分あける、背中はまっすぐ、足の裏は床にぴったりつける

工夫1|体幹を支える座り方を整える

まずは、体の土台から。
お尻が椅子の奥までしっかり入っているか、
背中が背もたれに軽く触れているかを見てみましょう。
足の裏が床や足台にぴったりつくと、体幹に余計な力を使わずに済み、姿勢が安定しやすくなります。

市販の足台やクッションで座面を調整するだけでも、座った姿勢はかなり変わります。

足台やクッションは、必ずしも新しく買う必要はありません。
バスマットやジョイントマットを重ねたり、牛乳パックを重ねて固定したりして、
お家であるもので、高さを調整を工夫をお願いします。

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足元の安定はかむ力にも関係します。

工夫2|椅子とテーブルの高さも、体に合わせて整える

目安は、背筋を伸ばしてまっすぐ座り、脇を軽くあけた状態で、
肘がちょうどテーブルに乗るくらいの高さです。
肘が浮いてしまう場合はテーブルが高すぎ、
逆に肩がすくんでしまう場合は低すぎるサインです。
姿勢が安定してくると、前のめりになる場面が少しずつ減っていきます。

工夫3|「口を迎えに出さなくていい」量とタイミングで運ぶ

スプーンで食べ物を運んであげるときは、
子どもの口の高さより少し下から、まっすぐ運ぶようにしてみてください。
上から口に押し込むように運ぶと、子どもは口を突き出して迎えにいく動きになりやすいです。

量は、スプーンに山盛りにするより、先端に軽くこんもり乗せるくらいがちょうどいいです。
そのくらいの量だと、上下の唇でしっかり挟める分量になり、唇を使う練習の機会が増えます。

先端が浅めで、一口分をすくいやすい形のスプーンを使うと、
この「ちょうどいい量」がぐっと作りやすくなります。

工夫4|すくいやすい食器に変えて、迎えにいかなくて済む状態を作る

ふちが直角に立ち上がったお皿や、適度に重さのある食器に変えるだけで、子どもがひとりですくいやすくなり、口を器に近づける必要が減ります。
食器選びについては1歳2歳がこぼす理由と、お皿の選び方でも詳しく書いています。

道具を見直してみることは、今のその子に合った「できた!」成功体験を増やすための工夫です。

犬食いは、マナーの前に「体と口の発達の途中」

手で体を支えながら高ばいの姿勢をとる赤ちゃんの写真

今日からできることは、ひとつだけでいい

座り方を整える、椅子の高さを見直す、運び方を少し変える、食器を変えてみる。
この4つのうち、できそうなことを、まずはひとつだけ試してみてください。

気になるところ試してみること
座った姿勢がグラグラしている座り方・足元を整える
前のめりの姿勢が気になる椅子・テーブルの高さを調整
口を突き出して迎えにいく運ぶ高さ・量を見直す
お皿からうまくすくえていない食器を変えてみる

全部を一度に整える必要はありません。
ひとつ変えるだけでも、食べ方は少しずつ変わっていきます。

それでも気になるときは、かかりつけに相談を

管理栄養士として、これまで多くのご相談を受けてきましたが、
多くの場合、迎え舌は体と口の発達の途中で見られる自然な姿です。
ただ、年齢が上がってもまったく変化が見られない、座った姿勢そのものが不安定な状態が続くなど、
気になることがあれば、健診の機会やかかりつけの小児科・小児歯科に相談してみてください。

mog

わたしたちは、気軽にご相談お待ちしています。

犬食いも迎え舌も、体の土台を整えながら、育つのを見守りつつ、
今日、できることを、すこし意識してやってみる。

「行儀が悪い」と見てしまうと、つい焦って何度も注意したくなりますが、
注意される回数が増えるほど、食事の時間そのものが緊張するものになってしまうこともあります。
まずは体と環境を整えて、それでも変わらない部分は、気長に待ちましょう。

「作る余裕がない日」は、食事の環境を整えることと同じくらい、無理をしないことも大切です。
幼児食宅配3社の比較はこちらにまとめています。

食べない!作りたくない!時間がない!を助ける!幼児食宅配3社を現役栄養士が丁寧に比較

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この記事を書いた人

・幼児食専門の栄養士として10年以上、食べない子、噛めない子、ごはんが苦手な子、たくさんの子どもたちの「食べる」に関わっています。
・教科書通りにはいかない、リアルな子どもたちの姿をたくさん見てきた私だからこそお伝えできる、実践的なアドバイスを発信しています。
・毎日のごはんの時間が、今よりちょっとだけ楽しくなるヒントを一緒に見つけていきましょう!

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