遊び食べでふざけるのは「失敗したくない」のサイン?現役管理栄養士が教える「楽しく食べる」5つの工夫

「ぐちゃぐちゃに混ぜて、ふざけて笑ってる」
「もう30分も経ってるのに減らない」
「なにを言っても聞いてくれない」
他にも、椅子から立つ。違う話ばかりする・・・・。

パパ・ママ

もうたべなくていいよっ!

つい、言ってしまいたくなる気持ち、すご〜くよくわかります笑
本当に、毎日、やさしい気持ちを忘れずに食事に向き合って・・・
素晴らしすぎます。

実は、遊び食べやふざけ食べの裏には、
子どもなりの「心のサイン」が隠れていることがあるんです。

今回の記事は、幼児食の研修でも、よく話題にあがる「遊び食べ」について、
そして、今日からすぐ試せる現役の栄養士・保育士がやっている工夫を紹介します。

mog

まねっこ、できそうなのがあれば是非やってみてくださいね〜

今回の記事は・・・
  • 「ふざけて食べない」の意外な正体
    実は「失敗したくない」「苦手な自分を見せたくない」という、
    子どもなりの不安が隠れているかもしれません。
  • 現場で実践している「できた」を増やす5つの工夫
    「わんこそば形式」や「一口おにぎり」など、
    今日から試せて、「ごはんってたのしい!」を感じられる具体的なアプローチを紹介します。
  • 外食・実家・保育園…場所や人が変わったときのお悩みQ&A
    「いつまで続くの?」という見通しの部分も、まとめて解説します。
目次

なぜふざけるの?「失敗したくない」子どもの意外なホンネ

遊び食べの理由は、
・お腹が空いていない
・食べ物を触って確かかめている
・飽きてしまう
・集中力の限界
など、よく言われています。
もう一度、お子さんをよく観察してみるのもいいのかもしれません。

mog

とはいえね〜・・・・
色々手を尽くしても
私の経験上、食べないんですよね〜〜笑!

実はもうひとつ、現場で15年以上子どもたちを見てきて、強く感じている理由があります。

それは、「できない自分を見せたくない」「失敗するのが怖い」という、
幼児期特有の、揺れ動く、繊細な心の防衛本能によるものではないか……ということです。

一見、ふざけて遊んでいるように見えますが、
実は子どもなりに「うまく食べられない不安」や「苦手なものへの怖さ」と
一生懸命戦っている真っ最中ということも。

「苦手」と言えずに、わざと笑ってごまかす

「失敗したくない」という思いが強い子は、
目の前に苦手なもの(食べにくそうなもの、嫌いなもの)があると、
どうしていいか分からず困っています。

そんなとき、素直に「手伝って」や「これ嫌い」と言えずに、

  • わざと大きな声で笑っておどけてみせる
  • 違うことを言って、食卓の空気を変えようとする
  • 「たべない!」「あっちいって」とわざと激しく泣いて拒否する

といった行動で、自分の不安や「できない自分」をごまかしてしまうことがあるんです。
大人から見れば「ふざけている」ように見えますが、
実はこれ、「苦手なことに向き合うのが怖いよ」という精一杯のSOSかもしれません。

ここで「ちゃんと座って!」「ふざけないで!」と叱ってしまうと、
子どもにとっては「不安な気持ちに気づいてもらえなかった」という体験だけが残ってしまうことも。
まずは「なにか困ってるのかな?」と、行動の奥にある気持ちを想像してみることが、第一歩になります。

mog

『ふざけてる』の奥に『こわい』が隠れてること、多いんです

実は「もっと見てほしい」が本当のサインということも

「失敗が怖い」以外にも、もうひとつよくあるパターンがあります。
それは、「食事中の注目」がうれしくて、ふざける行動が止まらなくなっているケースです。

きょうだいが生まれたばかりだったり、パパ・ママが忙しそうにしていたり。
普段の生活の中で「見てもらえている時間」が少ないと感じると、
子どもは無意識に「食事中なら、確実にこっちを見てもらえる」と学習してしまうことがあります。

でも、これは決して「かまってちゃん」というネガティブなものではなく、
子どもなりの、とても健全な愛情確認なんです。
叱る・注意するという形であっても、子どもにとっては「注目」には変わりありません。
むしろ「ふざけたら構ってもらえる」というパターンが強化されてしまうことも。

食事の最初の1分だけでも、「今日は何して遊んだの?」と目を見て話す時間をつくると、
それだけで落ち着いて座っていられる時間が増えることがあります。
「ふざけなくても、ちゃんと見てもらえている」という安心感が、遠回りのようで一番の近道になることも多いんです。

mog

『座る前の1分』が、実は一番効くこともあります

大切にしている「できた!」を増やす5つの工夫

できた!

そんな繊細な子たちに、現場で私たちが一貫して伝えているメッセージがあります。
それは、「できたね!」「失敗しても、またやり直せば大丈夫だよ」ということ。

食事の場面でこのメッセージを伝えるための、具体的なアイデアを5つご紹介します。

① 達成感がすごい!「わんこそば形式」

スプーンに一口分だけを乗せて、小皿に出してみてください。
「目の前のものがなくなった!」という感覚は、
子どもにとって大きな自信になります。
たとえ一口でも「空っぽになったね!やったね!」と
成功体験を積み重ねていくのがコツです。

コップやお椀のような「深さのある器」よりも、底の浅いお皿を使うと、
「食べきった感」が視覚的にもわかりやすくなります。
一回分の量は本当に少なくて大丈夫。
「え、これだけ?」と思うくらいの量からのスタートが、結果的に一番うまくいくことが多いです。

② 「わ〜〜!すごーーい!」を全力で

食べられたときはもちろん、「椅子に座れたね」「スプーン持てたね」といった小さな「当たり前」を、
大げさなくらい喜んであげてください。
「自分はうまくいっている」という安心感が、ふざける必要をなくしてくれます。

実は、言葉よりも表情やリアクションのほうが子どもには伝わりやすいんです。
「上手だね」の一言よりも、目を丸くして「え〜!すごい!」と驚いてみせるだけで、
子どもの表情がパッと明るくなることも少なくありません。
拍手やハイタッチなど、体を使ったリアクションを添えるのもおすすめです。

③ 「少なすぎる盛り付け」でプレッシャーをゼロに

「全部食べてほしい」という親の期待は、子どもには重いプレッシャーになります。
「えっ、これだけ?」と思うくらいの量からスタートして、
足りなければおかわりする方が、子どもの「食べきれた!」という満足感につながります。

もし「もっと食べてほしいのに」ともどかしく感じても、
おかわりという形で調整すれば、栄養面も量も、後から十分カバーできます。
最初の盛り付けは、あくまで「達成感を得るためのスタートライン」と考えてみてください。

④ 「苦手なものはどれ?」と先に相談する

今日のごはんを見て、「どれか苦手なものはある?」と聞いてみます。
自分で「これは後で食べる」「これは今日はバイバイ」と決められることは、
子どもにとって食卓での安心感、そして大人への信頼につながります。

「選ばせてもらえた」という経験そのものが、食事を自分でコントロールできているという感覚を育てます。
これは、遊び食べの根っこにある「失敗したくない不安」を和らげることにも直結する工夫です。

mog

『自分で決めた』が、いちばんの安心材料なんです

⑤ 苦手なものは「またね〜」で送り出す

一口食べられたら、もう100点満点です!
残りの苦手なものは「今日はバイバイ、また今度会おうね〜」と、
軽やかに送り出しましょう。
嫌な思い出にしないことが、次の「やってみよう」を育てます。

「残さず食べさせなきゃ」と思うほど、食卓の空気はピリッと重くなりがちです。
でも実は、「今日はダメでも、また今度」くらいの軽さのほうが、結果的に苦手なものへの挑戦につながることも多いんです。
次に同じ食材が出てきたときに「あ、これ知ってる」と思える安心感を積み重ねていきましょう。

現場のワンポイントアドバイス
もし、食べ物を投げようとしたら……。
「こっちに置くんだよ。お母さんの手にちょうだい」
「苦手なときは、教えてね」 と、
投げずに伝える方法を、お母さん側の対応として統一してあげると、子どもも迷わなくなります。

場所や人が変わったときのお悩みQ&A

ここまでの工夫は、あくまで「いつもの食卓」でのお話。
実際には、外食や実家、保育園など、場所や関わる人が変わるだけで、
また新しい悩みが出てくるものです。
ここからは、そんな「よくあるお悩み」に一つずつお答えしていきます。

Q1. 外食や実家では、周りの目が気になってしまいます

「他のお客さんに迷惑をかけていないか」「実家の両親にどう思われるか」。
そう考えると、いつも以上にイライラしてしまう気持ち、本当によくわかります。

実は、いつもと違う場所では、遊び食べが一時的に増えるのはごく自然なことなんです。
環境の変化そのものが子どもにとって刺激になり、気持ちが落ち着かなくなるためです。
そんなときは、完璧を目指さず「今日はここまでできたらOK」と
ハードルを下げてあげるだけで、大人の気持ちもぐっと楽になります。

好きなおもちゃやシールブックなど、その場だけの「特別なお守り」を用意しておくのもおすすめです。
周りの目よりも、まずは目の前のお子さんとの時間を優先してあげてくださいね。

Q2. 保育園ではちゃんと食べるのに、家では遊んでしまいます

「保育園の先生からは『ちゃんと食べてますよ』と言われるのに、家では全然……」
というお悩みも、実はとても多いご相談のひとつです。

これは、対応の善し悪しというより、
「家庭は、思いきり甘えられる安心できる場所」だと子どもがちゃんと認識している証拠でもあります。
むしろ、家の外でしっかり頑張っている分、
おうちで甘えたい気持ちが強く出ているのかもしれません。

保育園と全く同じ対応を家庭でも……と無理に揃える必要はありません。
「おうちモード」があること自体は、子どもが安心して甘えられる相手がいるという、とても良いサインです。

Q3. この時期のふざけ食べは、いつまで続きますか?

「このままずっと続いたらどうしよう」という不安も、よく聞かれます。
お子さんの性格や環境によって個人差はありますが、
多くの場合、自分の気持ちを言葉で表現できるようになるにつれて、少しずつ落ち着いていく傾向があります。

「イヤ」「にがて」「てつだって」。
こうした言葉が少しずつ出てくるようになると、
ふざけて気持ちを伝える必要そのものが減っていくためです。

今回ご紹介した5つの工夫は、まさにその「言葉で伝える力」を育てるための土台づくりでもあります。
焦らず、今日できる小さな一歩を積み重ねていきましょう。

mog

『いつか通る道』だと思うと、少し肩の力が抜けます

まとめ|怒っちゃう日も、また明日やり直せば大丈夫

mog

子どもの遊び食べと向き合う日々、本当にお疲れさまです。

私も、現場で毎日すべてがうまくいっているわけではありません。
うまくいったり、いかなかったり、気持ちが浮いたり沈んだりしながら、
子どもたちと一緒に歩んでいます。

つい声を荒げてしまった日も、イライラが止まらなかった日も、大丈夫。
「また明日、やり直したらいいんだよ」
その言葉を、お子さんだけでなく、頑張っているあなた自身にもかけてあげてください。

少しずつ、本当に少しずつ。 あなたが笑顔で食卓を囲める日を、毎日応援しています。

――――――――――――――――――――

「毎日の食事づくり自体がもうしんどい……」というときは、
幼児食宅配3社を現役管理栄養士が比較した記事もあわせてどうぞ。

食べない・作りたくない・時間がない!を助ける幼児食宅配3社を徹底比較

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

・幼児食専門の栄養士として10年以上、食べない子、噛めない子、ごはんが苦手な子、たくさんの子どもたちの「食べる」に関わっています。
・教科書通りにはいかない、リアルな子どもたちの姿をたくさん見てきた私だからこそお伝えできる、実践的なアドバイスを発信しています。
・毎日のごはんの時間が、今よりちょっとだけ楽しくなるヒントを一緒に見つけていきましょう!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次