
2歳児が昼ごはん中に眠くなる原因と対策をやさしく解説!噛む力と血糖値の関係とは
2歳児が昼ごはんの途中でウトウト……食べかけのごはんを握りしめて眠ってしまう姿は微笑ましい一方で、「ちゃんと食べられているの?」と不安になることもありませんか?
実は、血糖値の変動や噛む力の未発達が影響していることもあるんです。
この記事では、現役の幼児食専門の管理栄養士が、
2歳児が食事中に眠くなる理由と、その対策について詳しく紹介します。
- 2歳児が食事中に眠くなる理由
- 血糖値と食べ方の関係
- 噛む力を育てる楽しい工夫
- 眠気対策の具体例
食事中に眠くなるのはなぜ?血糖値と噛む力に注目

2歳児が食事中に眠ってしまう背景には、まだ発達途中の食べる力や、血糖値の変動が関係しています。まずは、その仕組みを理解してみましょう。
血糖値の急変動が眠気を引き起こす

2歳児が噛まずに早食いすると、体内の血糖値が一気に上昇します。
すると体はインスリンを大量に分泌し、今度は急激に血糖値が下がるという、ジェットコースターのような動きになります。
この血糖値の乱高下が、食後の強い眠気の原因になります。

一気食いは大人でも眠くなります。子どもはもっと敏感。
また、血糖値を急激に上げないようにするためには、まず「ゆっくり噛む」ことが大切。
噛む力の未発達が原因になることも

2歳頃の口の機能は、まだまだ発達途中。
舌・頬・顎が連動して「食べる」動作を完成させる必要がありますが、この動きがスムーズにできないと、食べること自体に疲れてしまい、途中で眠くなってしまいます。

「噛む」って、実はとても体力を使う行為なんですよ
食事は運動と同じ。
まだまだ幼い筋肉を使っての食事は、子どもにとって結構な「がんばる力」がいること。
そこそこお腹が膨れてくると、午前中の疲れもあり、心地よくなって眠りに入っていってしまいます。
体力の限界で眠くなることもある
2歳の子どもは、体も脳もまだまだ成長途中です。
疲れていても「もっと遊ぶー!」と全力で遊び続けることがよくあります。
これは、まだ自分の体や気持ちの状態をコントロールする力が十分に育っていないからです。
つまり、「疲れたからちょっと休憩しよう」と自分で判断して行動するのは、まだ難しい段階です。
そして、お昼ごはんの時間になると…ドーンと眠気が来てしまう(笑)
食事が眠気の引き金になるケースも多いです。

午前中の活動量を見直してみるのも◎
無理に食べさせるよりも、少し10~15分休憩時間をとることで安全に、機嫌よく食べられるようになります。
噛む力を育てる楽しい工夫3選

「噛む力」を意図的に育てていく工夫が必要です。
ここでは、家庭でも簡単に取り入れられる楽しい方法を紹介します。
バナナスティックで「かじる」を体験!

「かむ力」というのは、階段を上るように、少しずつ硬いものも食べられるようになっていきます。
まずは、柔らかい食材を使って「かじる」動作を練習するところから始めるのがおすすめ。
たとえば、バナナをスティック状にして手づかみで渡してみると、前歯でかじるという経験をすることができます。
この「かじる」動きは、咀嚼力の基礎を育てる大切なステップ。
この時、「できたね~!」「うれしいね~!」などの声かけが、子どもにとって大きな力になります。
私自身、子どもたちの「できた!」というキラッ!っていう一瞬の表情を見たときはこっちまで嬉しくなります。

はい、好き。キュンです。
次からは、まるで「もうできるよ?」って顔で、得意げに噛んでいたりするんです。
その姿を見るたびに、「あぁ、成長って本当にすごいな」と感じずにはいられません。
「か〜みかみ♪」ソングでまねっこ練習

2歳児はまねっこが得意な時期。
大人が楽しそうに噛んでいる姿を見せることも、良いお手本になります。
また、自作の「奥歯でか〜みかみ♪」などのリズムソングで、自然に口を動かすこともできます。

リズムと楽しさが加わると子どもたちのウケが違います!
「上手にできるようにならないと!」より、一緒にやる、楽しむ気持ちを忘れないのがポイントです。
一口量の調整で「丸のみ」防止

子どもが山盛りのスプーンを口に入れてしまうと、噛まずに飲み込んでしまう原因になります。
そこで、スプーンの量はだいたい1/3くらいが適量です。
私は「一緒にやってみよう」と声をかけて、大人が子どもの後ろに回り、二人羽織のようにサポートしながら、一口の量を伝えるようにしています。
ここでも、無理に直そうとするよりも、楽しみながら少しずつ覚えていくことが大切です。
ただ、2歳児はとても自立心が強くて、「ジブンデスル!」と言って、手伝わせてくれないことも多いんですよね(笑)。
そんなときは、いい量をスプーンに乗せられたタイミングで、すかさず「いいかんじね~!」と声をかけるようにしています。
何度か繰り返すうちに、だんだん一口の量もちょうどよくなっていきます。
眠気が強いときの具体的な対処法
「今にも寝そう…」というときの対処方法を知っておくと、慌てずにすみます。
ここでは3つの具体例を紹介します。
短時間の休憩をとる
眠気が強いときは、無理に食べさせずに10〜15分の短時間睡眠をとらせてあげましょう。

眠気がリセットされ、再び元気に食べられることがあります。
睡魔のピークを過ぎるのを待つことで、安全面でも安心です。
食事の時間帯や順番を見直す
昼食の時間が遅すぎたり、遊び疲れた直後だったりすると、眠気が増してしまいます。
リズムの見直しは、生活全体の安定にもつながります。
体調の変化をチェックする
食事中にウトウトが多いときは、風邪のひきはじめや便秘、気圧の変化など、体調の変化が隠れていることもあります。
2歳児はまだまだ小さな環境の変化に敏感です。

食事以外の原因ということも。
だから、
「全部食べさせなきゃ!」ってがんばりすぎなくても、大丈夫。
食事以外のちょっとした変化にも目を向けることで、
子ども自身が「わかってもらえてる」とを感じるきっかけにもなります。
まとめ:2歳児の食事中の眠気、焦らず対応するコツ

ここまでの内容を踏まえて、忙しい育児の中でも取り入れやすい対策をおさらい。
食事中の眠気は体の自然な反応
食事中に眠くなるのは、体の自然な反応なんです。
血糖値のアップダウンや、まだ育ち途中の「噛む力」、体力の限界まで遊び続けれるパワー。
いろんな要素が重なって、気づけばスヤスヤ…なんてことも、2歳児前後の子どもにはよくあることです。
噛む力を楽しみながら育てる
「かじる」「まねっこ」「少量ずつ」などは、子どもが自然と噛む回数を増やせるポイントです。すぐには、成果はでないけれど、毎日の積み重ねで、ゆっくりと力がついてきます。
記事のまとめ
無理をせず、少しずつ「食べる力」を育てていくことが、楽しい食卓への第一歩です。
マネっこが上手になってくる2歳児だからこそ、「一緒に食べる」を大切に。
楽しさと安心感のある、あたたかな食事の時間になれたらいいなと思います。

いろいろあるけど、今日も子どもと“楽しく食べた”って思えたら、十分◎!
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